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京都・梅小路蒸気機関車館で鉄分補給 [小旅行]

先日、実家の京都に帰りました。せっかくなので、“α100”を連れてって「秋の京都」をハンティング。

……でも、なんでSL?

(藤井)


私用で、京都の実家に帰ることになりました。そのことをαマスターズの他の面々に話すと「秋の京都! いいなあ。じゃあ“α100”で風情のある写真を撮ってきてくださいよ」との声。でもなあ、京都の風情とか言ったって、地元民にはかえってピンとこないんだよなあ。それに紅葉の時期にもまだ少し早いし……。

考えあぐねた結果、あまり観光客が行かないスポットとして、梅小路蒸気機関車館を訪れることにしました。名前のとおり、蒸気機関車がいっぱい展示されている施設です。風情とか雅とか、そういうモノは今回ほとんど登場しませんのであしからず。

JR京都駅から市バスで数分、ちょっとレトロなたたずまいの建物が梅小路蒸気機関車館のエントランス。実はこの建物は、日本最古の木造駅舎である旧二条駅舎がそのまま移築されたものです。

駅舎内には、1872年の鉄道開業から昭和まで日本の運輸を支えた、蒸気機関車全盛時代の貴重な資料がたくさん展示されています。実際のSL(C11形)運転席のカットモデルなどもあり、鉄道員(ぽっぽや)気分が味わえます。

  

今回なんでまた蒸気機関車の博物館を訪れたかというと、先日鉄道マニアの人(いわゆる「鉄ちゃん」)と話をする機会があって、そこで「被写体としての鉄道」の魅力を熱く語られたというのがあります。正直ワタシには「鉄分(鉄道マニア気質のようなものをこう言うらしい)」はあまり備わってないと思ってるんですが、確かにカメラを携えて車両を激写する人々を見ると、鉄道写真にはなにか抗しがたい魅力があるのではという気になります。

その秘密の一端をつかむために、とりあえず入門として「動かない機関車」を撮ろうとこの博物館にやってきたのですが……。
(ここから先の画像は、クリックするとより大きなサイズでご覧いただけます)


40mm 1/125秒 F9.0 ISO 100

え? おい、動いてる、走ってるよ!
駅舎を抜けていよいよSLの展示場へと足を運んだワタシは、そこでいきなり「動く機関車」と遭遇したのでした。

そう、この梅小路蒸気機関車館の最大の特長は、動態展示----すなわち「動く」状態でたくさんのSLが保存されていることなのです。ちょうど眼前で煙を吐いているのは、SLの代名詞として有名なデゴイチことD51形。パワフルな貨物用機関車です。


35mm 1/80秒 F9.0 ISO 100

デゴイチはワタシたち観客の前を悠然と進みながら、場内中央のターンテーブルのような部分へ向かいます。
この屋外施設は扇形車庫と呼ばれていて、かつては実際に蒸気機関車の車庫として使われていました。中央には巨大な転車台があり、そこから放射状に何本もの線路が延びています。車庫で整備された車両は転車台で向きを変えて本線へ送り出され、そして仕事を終えた車両はまたこの転車台を経てそれぞれのねぐらへと戻っていくわけです。

 
18mm 1/80秒 F10.0 ISO 100     30mm 1/100秒 F8.0 ISO 100

デゴイチを乗せた転車台はそのままぐわーんと回転し、その巨体を車庫へと続く線路に誘導します。この場面が、もうなんというか、男子ゴコロを激しく刺激するわけですよ。「ひみつメカ発進!」みたいで。
同時に圧倒されるのが、SLが発するスチームの熱気と、石炭やオイルの交じり合ったにおい。このソリッドな実在感は、なかなか写真では伝わりません。

車庫には、他にも数多くのSLが展示されています。そのうちの多くが、デゴイチ同様に現在もちゃんと動くものです。

 
18mm 1/50秒 F5.6 ISO 100    26mm 1/50秒 F6.3 ISO 100
戦前から戦後のローカル線で         「ポニー」の愛称で親しまれる
活躍したC58形。                小型機関車C56形(動態保存)。

 
40mm 1/60秒 F5.6 ISO 100    18mm 1/40秒 F5.0 ISO 100
戦前の大型貨物用機関車          日本初の国産量産貨物機関車
D50形。                     9600形。愛称クンロク。

撮影はもっぱら標準ズームレンズ DT18-70mm F3.5-5.6を使い、思いつくままパシャパシャとシャッターを切っていたんですが、後から写真を見返すと、SL独特の重量感を表現するためには撮影姿勢にもっと気を配るべきだったなあと思います。ぐっと低い位置から狙って、広角の効果をもっと引き出せればよかったんですが。


さてSLたちを夢中で撮っていると、向こうの方から汽笛の音が聞こえてきました。また一台、往年の名車両が動き出したようです。


35mm 1/80秒 F11.0 ISO 100

迫力と優美さを兼ね備えたその姿は日本最大の旅客用機関車「C62形」、愛称シロクニ。あの『銀河鉄道999』のスリーナイン号のモデルにもなった車両です。
この施設では、動態保存された蒸気機関車に客車を牽引させ、訪れた人を乗せて場内を走ってくれるサービスがあります(有料・大人200円 小人100円)。もちろん乗りましたよ。シロクニに。スリーナインに。メーテルはいないけどな!


18mm 1/50秒 F6.3 ISO 100

ボイラーに石炭がくべられ、大きな汽笛とともにゆっくりと動き出すC62「スチーム号」。心地よい律動が、体中を伝わっていきます。
……しまった! 自分が乗っちゃったら、C62の勇姿を撮れないじゃん!

なんだかひとりで勝手に盛り上がってしまい、最後には「写真を撮る」という本来の使命すら忘れそうになってしまいましたが、それだけSLには男子のDNAのある部分を揺さぶる「なにか」があるということを実感したワタシでした。これが「鉄分」の魅力なのか。うーん、ハマりそう。


18mm 1/60秒 F5.6 ISO 400
帰るころにはこのアングルに「萌え」を感じるようになってました。

本日の役割を終え、転車台で車庫へと帰ってゆくシロクニを見送ってから、ワタシは施設を後にしたのでした。

 18mm 1/80秒 F8.0 ISO 100
 18mm 1/80秒 F9.0 ISO 100
 18mm 1/80秒 F9.0 ISO 100
 18mm 1/80秒 F9.0 ISO 100

みなさんも京都を訪れた際には、清水寺や祇園や嵐山だけでなくぜひ梅小路にもお立ち寄りください。あ、もちろん”α100”といっしょにね。

 
20mm 1/80秒 F9.0 ISO 100
シロクニ食事中。

(藤井)


2006-09-19 17:11  nice!(6) 
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