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CCDのサイズと画角と焦点距離のお話 [レンズについて]

今回の記事ではデジタル一眼レフカメラ特有の、レンズ焦点距離の問題について。よく見る「35mm換算で~」とは何なのか、理解できるとちょっとカメラに詳しくなれると思います。
(犬楠)

 

このブログでも、レンズの焦点距離について触れる際には「35mm換算で~」という書き方をよくしています。この「35mm」というのは一般的なフィルム一眼レフカメラで使われるフィルムのサイズのこと。デジタル一眼レフでも、これを基準にレンズの焦点距離などは表記されています。では、なぜ換算が必要かですが、これはCCDが小さいほど画角(写る範囲)が狭いためです。

α100に搭載されているCCDはAPS-Cサイズと呼ばれるもので、35mmサイズのCCDよりもひとまわり小さいものです。

 35mmサイズ           (約24mm×36mm)
APS-Cサイズ            (約16mm×24mm)

そのため、画角も狭くなってしまっています。

と、このように同じレンズを使っていても、CCDのサイズにより写る範囲が違うので焦点距離の換算が必要となるわけです。APS-CサイズのCCDを搭載した機種では焦点距離は約1.5倍になります。

このほかにAPS-HサイズというAPS-Cよりもひとまわり大きいサイズのCCDや、フォーサーズサイズと呼ばれるAPS-Cよりも小さいサイズのCCDもあります。CCD自体の性能にもよりますが、基本的にサイズが大きいものほど高画質で高価になる傾向があります。エントリークラスの機種にはAPS-Cが搭載され、ミドルクラス以上には35mmサイズが搭載されるというのが最近の傾向です。ちなみにα100はAPS-CサイズのCCDを搭載。エントリークラスの機種と考えていいでしょう。

それではそれぞれのCCDサイズの利点と欠点についてです。

35mmサイズ
焦点距離換算:必要なし
なんといっても画質の良さには定評があり、35mmフィルム一眼レフカメラを持っている人には、マウントさえ合えばそのままレンズが使い回せるというところも魅力です。その代わりボディは少々高価。また、APS-Cサイズ用に作られたレンズを使用することもできますが、画面の4スミに“ケラレ”が発生してしまうため、実用には耐えないでしょう。画面の縦横比は3:2です。


ケラレのイメージ:画面四隅に黒い影が出てしまう

APS-Cサイズ
焦点距離換算:約1.5倍
35mmフィルム一眼レフ用レンズも、APS-Cサイズデジタル一眼レフ専用のレンズも使える汎用性が魅力。また、35mmサイズに画質では一歩譲るがコスト面でのアドバンテージがあります。また、35mm用のレンズを使った場合、レンズ中心の収差(ゆがみやぼけ)の少ない部分を使うため、周辺部の描写が良いという利点もあります。ただし、焦点距離は1.5倍換算になるため、望遠には強いが、広角には多少弱くなりがちです。35mmフィルム一眼レフ用の魚眼・広角レンズでは、思ったような効果が得られないことは憶えておきたいところです。画面の縦横比は3:2です。


16mm F2.8 Fisheyeで撮影。魚眼レンズ特有のゆがみはかなり控えめ
35mm用の広角・魚眼レンズでは多少物足りない

それぞれの利点・弱点をまとめて見ると……

35mmサイズ
○ 35mmフィルム一眼レフカメラのレンズを同じ感覚で使える
○ 焦点距離を換算計算しないでOK
○ 画質が良い
× カメラ本体が高価
× APS-C用のレンズは実質使用不可

APS-Cサイズ
○ レンズ・ボディ共に比較的安価
○ 35mmフィルムカメラのレンズも使用できる
○ 専用レンズは比較的小型・軽量
△ 焦点距離換算が必要
× 広角レンズが高価になりがち

と、こんな感じです。
α100を代表するAPS-CサイズCCDを搭載した機種は、バランスの良さが魅力だといえます。35mmサイズCCDを搭載した機種よりも汎用性が高く手軽に使えるのではないでしょうか。
(犬楠)


2006-09-08 19:45  nice!(5) 
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