αマスターズ井戸端会議 その2 「さわってわかった“α100”のいろいろ」 [座談会]
このblogも開設からもうすぐ3ヶ月。これまで“α100”といっしょにカメラ生活を送ってきたαマスターズの面々が、現時点でのインプレッションを語り合います。
(藤井)
●“α100”で身についた「レンズ力」
豊田 さて、“α100”が手元に来てからそれなりに時間が経ったわけですが、どうですか? 最初の印象と比べて。
犬楠 僕はプログラムオートを使うことが多くなりましたね。晴天の屋外だと通常のオート撮影で十分なんですが、暗い室内だともう少し絞りを開けてみようとか、ファインダーを覗くたびに設定を変えてみるクセがつきました。
藤井 完全なマニュアル撮影はやっぱり面倒だけど、絞りを優先にしてボケ味を変えてみたりして「ちょっとマニュアル」な撮影を楽しむのは面白いよね。
豊田 「ちょっとプロ気分」な感じで(笑)。
藤井 銀塩カメラだと、設定を色々いじりながら撮っても、それが実際にどう仕上がるのかは現像されるまでわからないじゃない。設定と撮影結果との関係が初心者にはなかなかつかみにくいけど、デジタルだと結果がすぐ確かめられるから、設定をいじる楽しさが身近になると思うんだ。
豊田 それ、このあいだ熱海の花火大会を撮りに行ったときにすごく実感しました。花火なんて撮ったことなかったから、設定がよくわからないんですよね。でも撮っては確かめ、撮っては確かめ……とやっていくうち、このくらいのシャッター速度なら火花の流れがきれいに撮れるというのが見えてきて、どんどん楽しくなってきました。
20mm 15秒 F4.0 ISO 125
試行錯誤の末にゲットしたみごとな花火のショット。
犬楠 銀塩カメラだったら、そんな試行錯誤をしてるうちに花火終わっちゃいますね。
藤井 てか、撮った写真全部が現像したら真っ黒けだった、とか(笑)。
犬楠 “α100”を持って被写体を探していると、自然と行動がアクティブになってきますよね。ダイエットにはいいかも(笑)。まあそれはさておき、日常のちょっとした風景にも「どうフレームに収めよう」とか「ここは広角でアオりたいよね」とか考えを巡らせるようにはなりました。ものの見方が変わりましたね。
豊田 お台場のイベントでは3人それぞれが違ったレンズで撮影してみましたけど、「どんなレンズを使うか」についてもずいぶん自覚的になりました。
犬楠 ちょっと反則だけど、あえて普通の風景をズームで撮ることで、今まで目立たなかった部分が強調されたりして面白い写真になる。いろいろ試してるうちに、標準レンズでは出ない効果を「発見」できるんですよね。
藤井 コンパクトデジタルカメラや、ましてケータイで撮影してると、「標準じゃ物足りない」なんて発想すら出てこないからね。
犬楠 この風景はこのレンズで撮ってみたい、この被写体はこのレンズで撮ると面白そうなど、カメラ力というか、レンズ力が強化された気がしますね。いろいろ撮っているうちにレンズのスキルがあがった気がします。
豊田 藤井さんはお台場ではマクロレンズ(100mm F2.8 Macro)を使いましたよね。どうでした?
藤井 繰り返しになるけど、レンズを通した被写体のイメージを頭に浮かべることがいかに重要かを痛感したね。特にマクロは、レンズ越しの風景が肉眼とはがらりと変わってくる。最初はそこに戸惑うけど、頭の中に「マクロの視線」が出来てくるととたんにハマっちゃう。
犬楠 それで虫ばっかり追っかけてたわけですね(笑)。
100mm 1/160秒 F2.8 ISO 250
お台場のセミ。後でオリジナルDVDをつくって
もらったとき、映像にやたらとセミばかりフェー
ドインしてきてひんしゅくを買う。
藤井 ほっといてくれよ、虫好きなんだから。あ、あと、そういう意味では魚眼レンズ(16mm F2.8 Fisheye)なんかも楽しみだなあ。
犬楠 ただ、あのレンズは16mmですが、“α100”のCCDはAPS-Cサイズですから、35mm換算すると24mm相当ということになります。あまり極端な魚眼効果にはならないかもしれませんね。“α100”には銀塩時代からのレンズ資産があるし、これからサードパーティを含めて本数も増えていくと思いますが、この点だけはちょっと注意が必要だと思います。ただ今後もっとハイエンドな“α”シリーズが出た場合どうなるか分かりませんけどね。
●あえて辛口ツッコミも? 今後の“α”への期待
豊田 さて、ここまで触ってきて、あえて“α100”の不満点を挙げるとしたらどうでしょう?
藤井 え、いいの? そんなこと言って。
豊田 それも“α”への愛ですから(笑)。僕なんかは、レンズマウント部がしっかりしているだけに、かえって本体の軽さが不安な感じなんですよね。ちょっとオモチャっぽいというか。もっと高級感があってもよかったかなと。
藤井 「軽いのが不満」ってゼイタクだな、この軽量さがいいとこなのに。でも、確かにホールド感を考えると、もう少しずっしりしててもいいのかも。
犬楠 僕は手ブレ補正からアンチダストまで流行りの機能を全部盛り込んだ“α100”はすごいと思うんですが、ここでもうひと声、背面液晶をファインダーとして使えるようにしてほしかったですね。
豊田 いわゆる「ライブビュー」ですね。液晶の向きが変えられたりするとさらにいいかも。まあそこまでは望み過ぎでしょうけど、ライブビューがあると撮影姿勢の自由度が増して楽ですよね。コンパクトデジタルカメラから入ってきた人にも、よりとっつきやすいでしょうし。
藤井 ファインダーと言えば、ワタシはファインダーからの像がもっと大きく見やすくなればいいなと思う。AFならあまり気にならないけど、マニュアルでピントを合わせようとするとなかなかツラいんだよね。
犬楠 まあ、それはエントリーサイズのデジタル一眼レフに共通の弱点ではあるんですが。
藤井 あ、あと、さっき犬楠くんの話にも出てきたけど、“α100”の基本スペックの高さや、レンズ資産の豊富さを考えると、APS-CサイズのCCDというのがすごくもったいないような気がするな。
豊田 でも35mmフルサイズCCDのデジタル一眼レフとなると、もはや価格的にもエントリーモデルの枠に入り切らないでしょう。
犬楠 ただ、今“α100”ってものすごく売れてますよね。こうして新しい“α”ブランドが確立したわけですから、今後35mmCCDの上位モデルをはじめとするラインナップの拡充も期待できるんじゃないでしょうか。
藤井 あんまり妄想をふくらますのもアレだけど(笑)、確かに“α100”をゲートとしてデジタル一眼レフに入ってきた人たちは、すぐに高いレベルを求めてくると思うんだ。だから“α”ブランド全体をこれからも見守っていきたいね。
豊田 なんかものすごく大仰なまとめになりましたね。
犬楠 まるでblog最終回みたいじゃないですか(笑)。
藤井 しまった! こういう話はもっと後にとっとくんだった!
(藤井)
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